断
私が彼に出来ることが、見付かった。
だから、それする!!
って言っても、「ダメ」の一点張り。
そんなことより自分のことしなさいって。
私があなたの為に出来ることなんてそう多くないじゃないか。
前も別のことで、私に出来ることあって。
でもやっぱり、「そんなことしちゃダメだよ」って。
この件に関しては私も彼も知識不足でどちらの言い分が正しいのかどうか、わからないんだけど、とにかくダメと諭された。
・・・このときは。
「大切な人にそんなことさせられない」なんてそんなこと言われちゃったら、
それ以上何も言えなかった。
再び冒頭の、この『私に出来ること』の話をめげずにしてはみるものの、反応は同じ。
ちょこっと強引に話してみたら。
あらら。
反応止まった。
既読のまま。
忙しくなっちゃったかな?
「今日も遅いの?」
耐えかねてそう尋ねたものの、これが一向に既読にならない。
連絡が断ち切れた。
まさか怒った?なんて彼に限ってないんだけどね。
私は子供なので未読スルー既読スルーで怒りアピールしちゃうことあったけど。
彼はしない。
そもそも彼、怒ったことあったっけ・・・?
「怒るよ?」とは言われたことあったけど、それまでだったしなあ。
とにかく。
未読が続いた。
終電の時刻。
終電前に帰れたとして落ち着くであろう時刻。
終電に乗ったらなら帰宅するであろう時刻。
真夜中に。
朝が来ても。
1日が動き出しても。
いくらなんでも起きてるだろう時間。
いくらなんでも家を出てるだろう時間。
ひさびさに嫌な未読な時間が続いた。
つい最近、LINEの不着もあったことだし、それかも知れないのに。
冷ややかな不安が滲むように胸に広がる。
嫌な不安。
この感触にはいつまで経っても慣れそうにない。
泣きそうなくらい不安になってしまって、
やっと届いたLINEに
泣きそうなくらい安堵した。
忙しいのは知ってたの。
結論、何も出来なくなるくらい、忙しかったみたい。
いっぱいいっぱい嫌な想像してしまってたから、
たくさん心配した。
いっぱい心配したよ。
こんなに心配するの辛かったけど、
彼の仕事の状況もそれ以上に深刻な状態だった。
心配してたこと。
彼の体調を気遣っていること。
それだけLINEで返した。
断たれちゃったらどうしようかと、思っちゃった。
何も出来なかったくらい、疲れてたなんて。
不安だったけど不安だったなんて言えなかった。
心配した。
彼、大丈夫かな。
疲れてるはずなのに。
彼は私に応えてくれた。
私の気持ち察してくれていた。
魔法のような、時間をくれる。
(続く)