海はひろいな『第二章』

婚外恋愛ブログです。好きだから好きなのに。

許されないことなのは重々承知です。
不愉快だと思う方はどうぞスルーでお願いします。

今夜は雪の降る街

私たちのデート予定日に、ゆきだるまのマークがついた。
雪の予報。


先日の大雪の記憶もまだ新しい。


だからこそ、思った。
これは平気そう・・・って。
あの日に比べれば。


窓から眺める空模様。
ずっと視線の端にちらちら意識してた空。
雪の予報時刻的に、今日は平気って思ったのは心配を打ち消すため。
多少は心配だったけど。


もしも雪なら、もしも予報が大幅に狂ってしまって早い時刻から大雪になってしまったら?
帰れなくなる。
電車が止まったら、仕方ない。
帰れないの、仕方ない。
『海』と一緒に一晩過ごせちゃう・・・なんて、
「もし電車止まったら帰れないからね~(笑)」って冗談言いながら家を出た。
もちろん、冗談ってわかりきってたから言った。


冷たい雨。
凍りそうな雨。
ひとつ言えるのは。
このとき私が着たコートは雪の降る日に着るコートなんかじゃないってこと💧
雨模様でも充分寒い。
防寒重視なコート、デートじゃ着れないもん(笑)


待ち合わせの時間も雨。
軽く飲んで、お部屋に向かう間も雨。
雪の予報の時間はまだ先だったけど、やっぱり今日は平気な気がした。


寒い寒い外。
暖かい暖かいお部屋。


寒いから帰りたくなくなっちゃう。
『寒いから』、ね。



話は変わりますが、私この日初めて、
彼の前で眠ってしまいました。
そもそも普段そんなに何時間も一緒にいられるわけじゃない。
いつもいろいろかくかくしかじかで時間はぎりぎり。
だから目覚めて、眠っていた自分に驚いて、彼も眠っていたように見えて、
慌てて時計を確認した。
雪でもないのに終電なんか逃したら大変。


どのくらい寝ていたんだろう?
眠ったかもしれない時刻を見てないからわからないけど、
10分? 5分? もしくは数秒だったかも知れないほどしか、時計は進んでいなかった。
まだ大丈夫な時間だった。
否、今から帰る仕度を始めるくらいには充分な時間だった。


でも心臓は充分すぎるくらいどきどき焦った。
だって眠くなんかなかったのに寝てたから。
なんで寝ちゃったんだろう?


いつ寝たのか記憶を辿る。
確か、ベッドの上で、終わったあとで、ベッドに伏せて乱れた呼吸を整えていたと思った。
彼が横に並んで。
私を引き寄せて。
おでここつん、して。
間近で見つめ合って、一緒ににこってして。
幸せだなって想った。
そこで記憶が途絶えてる。
そこで眠りに落ちたんだと思う。
思い出して、思う。
なんて幸せな眠りだったんだろう・・・
例え数分とか数秒の世界でも。
眠りにつくときにあんなに幸せだった。
初めて一緒に寝ちゃった。


寝ちゃったね~って言ったら。
彼はいつもこう言うんだけど、
「完全には寝てないけどね」って。
私は寝たのはこのとき初めてだったけど、『海』は今まで
・・・寝てるよねえ?って思うときが何回かだけどあって。
彼の寝息。
寝ちゃったのかな?って様子を伺うとすぐ起きちゃって。
だからなのか、
「完全に寝てないしw」って言う。
私は寝てるか寝てないかのどちらかしかないと思うんだけど、『海』は違うんだって。正直よくわかんない(笑)
今度、完全に寝せてみよう。
寝かしつけてみよう。


時間があるなら。
時間がないから。
帰る仕度。


お部屋を後にしたら、外は雪が降っていた。
いかがわしい場所のネオンに照らされる雪。
それでも綺麗だなって思った。


このくらいならまだまだ帰路を邪魔しない程の雪。
だから、舞い散る雪を単純に嬉しいと思えた。


先日の大雪は。
とてもとても心配でたまらなかった。
そしてそんな私の想いは届かなかった。


数年来の大雪だったなんて、きっと今後この日のことはひきあいで何度もニュースでみかけてしまうだろうって思った。
そのたびに切なかったこの想いまで蘇ってしまうのかなって、寂しくなった。


そんな今年の雪の記憶に、嬉しいイメージ、少し付け加えられた。


先日の大雪の時に、心配で心配でたまらなかった、って言いながら。
こっそり少し、思ったこと。
きっと私は『海』と一緒に雪を見られないんだろうなって。
『雪を見るため』だけに逢うなんて出来ない。
もしも旅行なんて自由に出来るようになったりしたら、雪の降る街に行けるかもしれないけど。
ただいま現在そんな目途なんか全然つかない。
そんな、雪の降る街。


今日は雪なんて降らないから大丈夫なんて、思い込んだのは。
一緒に雪が見たいって願いに期待しないようにするため。


舞い散る雪を一緒に見れた。
タクシーに乗るまでの僅かな間、一緒に歩けた。
雪の降る中、一緒に歩いた。
これがどんなに希少なことか。


一緒に見れた雪が、とても嬉しい夜でした。