海はひろいな『第二章』

婚外恋愛ブログです。好きだから好きなのに。

許されないことなのは重々承知です。
不愉快だと思う方はどうぞスルーでお願いします。

蜃気楼の迷子

 ~これはあのときの空白を記録した3分の1の2つ目の話




結局私には、『家族の話題』を受け入れられる器がなかった。


素直に?
やっと?


敗けを認めた。



次は。
いよいよ伝えなければ。
「その話をしないで」
私にその話を見せないで。
見えないように、壁を作ってと言わなければ。


伝えるのは『言葉』。
文字に興して。
気持ちを、言葉に。


たくさんたくさん考えた。


もう、本当に辛かったの。


いっそこの気持ちをそのまま大砲みたいに撃ちこめればいいのになんて、思ったり。
そんな風に簡単に思いを伝えられたらどんなにいいか。


でも実際は。
何から話していいかわからない。


最初の頃はメンタリストかと思う程、気持ちを読んでいたくせに。
今でも何も言わなくても、気持ちの浮き沈みを察してたりする。
私が単純だからかもしれないけど。


そんな人なのに。
どうして、いつも、こうなんだろう。
どうしていつもこうなるの。
私がいつも、悲しくなる。


もしかして・・・
ぽつんと思った。


わざとなんじゃ?
わざとなんじゃ!


ふっと湧いた疑問は簡単に疑心暗鬼の引き金になって。
驚くほどあっさり全部疑ってしまった。
今までの、私たちの全てを。


だいたい、そもそも。
いちばん最初から、冗談みたいだった。
冗談ばっかり言って困らせてるように見えた。
それなのに私の方は彼を好きで、笑いながら悩んでいた。
あまりにも堂々と私を誘うから、私はこの人の世界には不倫なんて概念がないのかしらなんて思った。罪悪感や引け目を感じている私の方がおかしいのかと錯覚しそうなほど。


初めての待ち合わせに指定された駅は知ってる駅。
「会ってすぐキスしたらごめん」なんて、冗談。
私の知ってる駅にそんな『キスできる』不思議な空間がいったいどこにあったんだろう?もしくは、いつの間にそういうのが許される世間になっていたんだろう・・・なんて、とにかく不思議だった。



もしかして・・・
そこから最初から全部、冗談だった?
気持ちが逆行していく。
遡って最初からの何もかもが疑いのターゲット。
私たちの過ごした日々が全部。
どっちが蜃気楼?
最初から全部冗談だとしたら。


私に家族の話を平気で話せるのは。
冗談で付き合っているから、
そこまで気を使う必要ない。
冗談で付き合っているから、
傷付けたって気にしない。
冗談で付き合っているから、
だから。


わざとなの?


拒絶反応が起きる。
どう接していいかわからなくなった。


でも。
全部信じられなくても、何故か『終わり』を感じなかった。
でも、未来も何も感じなかった。
このとき私たち1つだけ、数か月後の約束をしていた。
それは叶わないんだって思った。
終わりも未来もない、時間の中にいた。


いつまでもこのままじゃダメだとは思っていたけど。
話さなきゃダメだって思っていたけど。


彼からのLINEはまずは当たり障りのないことからが多く。
それに反応する私を見て。
そこから応えるまでの時間や、態度、ご機嫌とか、推し量っていると思う。
条件が整ってそこからラリーが始まる、いつも。


だからラリーをさせないなんて、簡単だった。
繋がらないことは操れる。
未読スルーはしないことに、決めているけど。
これは想像以上に相手に心配かけるから。
それを踏まえても心配させずに、距離を置くなんて、私には簡単なこと。


だけど。
いつまでも逃げてるわけにいかなくて。
きちんと向き合わなくちゃいけなくて。


ぎりぎりまで彼から逃げたあと、彼を待った。
話そうって。


気持ちが逆行して何もかもわからなくなっていたから。
逆に、『話すこと』に抵抗がなかった。
話すしかなかった、と思った。
話すしか進めない。


彼はほんとに私が彼のこと好きって知ってるのだろうか。
私の気持ちを知っていて、わざとそんなこと言うのだろうか。
そんなにどうでもいい相手だったのだろうか。
だから。


所詮セフレなのかなーって思ってしまって。
実際口に出して直接聞いてしまった。


「・・・そんな風に思ってたの?」
彼の言葉に。


胸を抉られる思いをした。
そのひとことに、はっと我に返った。


蜃気楼が消えるみたいに、忽然と『今まで一緒に過ごしてきた私たち』に戻った。
戻れた。


「2年も一緒にいるのに・・・」
ほんと、そうだった。
ずっと一緒にいた事実は、現実だった。


私を迷子にさせたのはあなただけど。


言ってはいけなかったひとこと、言ってしまったかもしれない。
今も悔いる。
ごめんね。



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