海はひろいな『第二章』

婚外恋愛ブログです。好きだから好きなのに。

許されないことなのは重々承知です。
不愉快だと思う方はどうぞスルーでお願いします。

防波堤の約束

 ~これはあのときの空白を記録した3分の1の3つ目の話



今でも思う。
あんなこと言うんじゃなかった。


どうしてあんなに、全部見失ったんだろう。
あれは別世界。
歪んだ異世界。
私の弱い部分が見せた幻。


現実に戻って。


私の失言に対して彼の言う言葉は。
ひとつひとつ、リアリティを呼び寄せる。
私の失言を打ち消すために新たに用意した言葉ではなく、
過去に結び付く言葉。
過去を呼び寄せる言葉。


全部ここにあったのに、見失ってた。


簡単に迷子になった。
それは私のせいじゃないから。


言わなくちゃ。


もともと言いたかったのはそれじゃない。
言う。



家族の話をしないで。
私が聞いたらヤキモチ妬いちゃう話は聞きたくないの。



そう、お願いした。
言ってみれば想像以上にあっけない言葉だったと思った。
こんな数十文字が、こんなにしつこく根深く、心に絡みついていたなんて。



防壁を。
彼の世界の一部を閉ざすこと。
一部を失うこと。
それがとても怖く感じていたけど。


これは防波堤。


私を脅かす波が私に押し寄せないように。
防波堤の約束。



約束のあと、2人でお部屋にいた。
2人きり。
物理的に2人きりなのは勿論だけど。
約束が、私を2人きりにさせてくれるって
護ってくれているって、安心感があった。



今までは、私の要望を彼と向かい合ってぎゃんぎゃん喚いている、姿が浮かんでいた。
イメージの中のふたり。
でも。
約束のあと。
彼の腕に包まれている、ように思えた。



この安心感は幸せだなあって思った。




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