『イベント当日』vol.1
当日まで、イベントのことにはお互い、一切触れず。
朝を迎えて。
結局、私からは何も話さないことに決めてしまった。
なるようにしかならない。
なんて、逃げ口上。
いっそ1人で行く、とか一緒に行きたくない、とか、
言う勇気なんてなかった。
だったら、このまま私が何も言わないままで、
彼がこの件にどう反応するのか見てみたいなって思った。
その結果、たとえ1人で行くことになってしまっても、
大丈夫大丈夫って、
ブログに戴いた励ましのコメントを見ながら、過ごした。
朝、おはようのLINEが届いたあとの空白の時間が。
とても不安で心細く、永い時間に思えた。
今確認したら、たかが2時間ほどだったのだけど。
彼から、やっと、本題が。
待ち合わせの時間と、
待ち合わせ場所を告げる、
いくつかのLINEを事務的に交わす。
一緒に行けるんだあって、こっそり安心した。
ちゃんと覚えててくれてた。
待ち合わせの場所まで向かう電車の中。
不思議な感覚。
半分は、純粋に楽しみ。
SNS覗いて、テンションあがる。
でも、もう半分は・・・?
着いた待ち合わせ場所。
そこで上手く合流出来ず、
彼から着信。
「どこ?」
「〇〇〇のとこ」
なんて通話してるうちに、お互いを認識、した途端、彼がくるりと向きを変えて進みだす。こっち、みたいなジェスチャーしてたから、ついて来いってことなんだろう。
なんか・・・
なんか、ちゃんと『逢えた』感がない
少し離れたところにいた彼を追いかけるかたち。
しかも、少し早足、人混みのなかで。
ものすごく足の遅い私。
歩くのも走るのもとても遅い。
なんだかとっても悲しくなった。
このままはぐれたふりして、いなくなっちゃおうかな
なんて流される勇気もやっぱり出ないんだけど。
やっと、追い付く。
というより、彼が足を止めたから追い付けただけで。
追いかけながら、ホームに来た電車に乗って、車両の中でも歩いてて。
彼がようやく足を止め、説明を始めたこの車両が、乗り換えに便利な車両なのらしい。
ついでに、言うと、
他にルートがあるなかで、
このルートを使うのは、
別のルートで行くと、
途中で奥さんと遭ってしまうかも知れないだとか、
言ってたと思う。
この辺りのくだりを、
彼がどんな風に言ったのかとか、
まったく覚えてない。
『奥さん』のワードに、多分ショートした。