海はひろいな『第二章』

婚外恋愛ブログです。好きだから好きなのに。

許されないことなのは重々承知です。
不愉快だと思う方はどうぞスルーでお願いします。

『イベント当日』vol.2

もう、最悪。
そんな始まり。


でももう、ずっと最悪だったのかも。
この日よりも前よりも。



電車内、扉付近に立っていた。
彼に対して、もうほとんど背中を向ける角度で。
2人の隙間にはトゲトゲ空間。
近くて遠い。


このルートを選んだ理由をわざわざ言う必要なんてなくない?
気を遣わせてごめんなさいね、なんて思ってむかむか。
全身に不愉快さが溢れ出てしまうのを隠せない。


彼が何か言ったような言ってないような。
1度か2度かうん、とかふーんとか、
答えた気もしなくもないような。


何を言ったかも覚えてないほど、他愛ないやりとりだったんじゃないかな。


そして促された、乗り換えるから降りるって。


次の電車でも扉付近に立ったけど。
この電車は段々混んでくる。
増す密度。
扉の横の片隅へ誘導される、彼が私を護るように腕の中にくるみながら。
自然に密着する、彼と。
自然と縮まる距離。


身動き出来なくて、向き合ったままだった。
混雑が、もっと近付かせさせる。
彼の顔も近付く。
唇が近付く。


慌てて、ダメって小声で制した。
こんなところでダメに決まってるでしょ。


このとき私、
彼のキスを拒む理由があって良かった、なんて思ってた。
こんなところでダメなんだから、やめて、って堂々と言えるって、思った。
キスなんかやだった。


諦めない彼。
ぷいってくいって、僅かに顔を背けて、逃げる。
逃げきれなかった、おでこやこめかみへのキスは諦めた。
されるがまま。


やがて空いていく車内。
彼との距離も緩む。


私と彼のおうちの距離は約1.5h。
この日のイベント会場へも私のうちから約1.5h。
途中まで、彼のおうち方面をめがけて進む。



この辺りはもう、私には馴染みのない界隈。
そして彼には馴染み深いエリア。


私の知らないいろいろな話をしてくれた。
車窓からの景色を、彼の話した内容を重ね合わせながら、見る、見詰める。


彼から聞いたことがあった話でも、
いまその場所にその近くにいるんだって思うと、また不思議な感覚だった。
新鮮で不思議。


途中までは、彼がいつも帰るルートだった。
この風景を見ながら、私にLINEしたりしてるんだなあって、思った。
そんな風景を一緒に見れる不思議。



そして目的地の駅へ到着。
私は、初めて降りる駅。
初めての場所に、わくわくした。
この楽しさは、誰といても感じる楽しさ。
だから、彼といても楽しくなってた。
(ひどい言い方よね、ごめんね、笑)


イベント終わったら即解散ではないだろうなって、思って。
この日の打ち合わせを全然してなかったから、どう流れるか全然わからなかったけど。
そんなに時間の余裕ないかもだけど、少しくらいどっかお店行けるのかなあって、思いながら初めて歩く街。どこか行けたらいいな、行きたいなって、過ぎゆくお店をチェックした。



楽しくなっていく。