海はひろいな『第二章』

婚外恋愛ブログです。好きだから好きなのに。

許されないことなのは重々承知です。
不愉快だと思う方はどうぞスルーでお願いします。

雨の色はうつりにけりな

少し時を戻して、先週の話。


ランチデートをしてきました。


私と『海』がよくランチをする街に、
夫も訪れることがあると発覚してから、
初めてのランチ。



このランチのお誘いも突然だった。
数日前に、突然。
「〇日ならランチ行けそう」ってLINE。
言われて、予定を確認する。
その分少しだけ、返事に間が空いた。
その隙に先に『海』から、
「唐突だった、ごめん」
「ううん、平気だったよ」と返したけど、
『海』に気付かれちゃったかと思った。
少しだけ、少しだけ、躊躇したこと。
ぎくんって思った。
どきんってした。


夜のデート。
ランチデート。
昼のお部屋デート。
私たちが出来る、3つのデート。


夜にデートすることを控えてる今、
ランチデートまで躊躇してしまったら、
とてつもなく逢えなくなってしまう。
LINEやチャットのチャンスも随分減ってもいるし。


大丈夫



その日の天気は雨の予報。
雨は嬉しい。
傘で死角を作れるから。
私の味方。


ところが。
当日。
予報と裏腹に、晴れ。
洗濯物は干せるけど・・・


私の味方の出番はない。


傘の形状から連想させる武器。
武器を持つ必要がないから、まるで丸腰みたい。


大丈夫


私の護衛は傘だけじゃない。
他にも少し、下準備。
気弱な知能犯の、ささやかな。


大丈夫



ところが、待ち合わせの駅に着いたら、雨。
大粒の。


駅から出来る限り離れるつもりでいたのに。


好機のはずの雨。
味方のはずの傘。
裏切りの太陽に。


足早に濡れて歩く。


こんなはずじゃなかったのに。
しかも寒い。
濡れて冷えて。


適度に見切りをつけた、コーヒーショップに逃げ込む。
温かいコーヒーと、安息の地みたいな、安堵。


スパイ映画じゃないんだけど、
心境はそれにだいぶ近い(笑)
自分で笑ってあげないとやりきれない(笑)
ヒロインごっこ。


最悪の結末は嫌。


自分を究極に追い詰める。
ぬかりなく。
必要な危機感。


その場にいる全員が見知らぬ人の安全な空間。
人の動きがあるたびに、都度確認して安心して。


私がしていることは、そういうこと。


ならば、そのシチュエーションを楽しんでしまえ。
スパイ映画のヒロインなんて、普通体験出来ないよ。


って思ってたはずだったのに。


自家中毒みたいに苦しくなる。


怖い怖い怖い怖い。
ヒロインごっこは嘘だけど、危機感は本物。
怖い。


『海』を待っている間に、読んでいた本も悪かった。
サスペンス色濃いミステリー。
人が負の感情に陥る経緯が気持ち悪いほど生々しい。


救いみたいに届く『海』からLINE。


「おまたせ、今から出るよ」


「雨降ってるよ~」って伝えた私に、
傘を持ってきてくれた。


ランチした場所はとってもデートにそぐわないとこ。
こういうお店は、夫はおそらく来ないから。
『海』にそこにつきあわせちゃったことは、申し訳ないけれど。



本当に怖い。
情けないほどみっともないほど怖い。


『海』に逢えると安心しちゃうから。
だから、油断しないように。


怖いこと、知ってないとダメだと思った。



怖いけど、『海』に逢えると安心しちゃうから。



お別れ間際、傘に隠れてキスをした。
このとき、雨が降っていたから。
『海』が傘を持っていたから。