好きの続き
チャットは続いて、初デートのときの話になった。
このとき『海』はほんとに緊張していたって。
かつ自分を抑えるのがたいへんだったとも言っていた。
でも何もしないで帰ることも考えていたようで。
私に拒まれたらと思うと怖かったらしい。
「そうなのー?w」
今だからこそ、可笑しくて。
デートの約束するまでにあんなにさんざん口説いてたくせにー。
だから私の方は、覚悟したうえでの『約束』だったから。
覚悟のサシ飲みでその距離感はないって思ったから。
向かい合わせに座る彼に「隣に座れ」って言ったのは私。
懐かしいね~って笑った。
そこからまたこないだのランチの話になった。
「見られちゃったね~w」
「言わないで・・・T-T」
しばらくこのネタでいじられそうな予感がひしひし・・・
「あの辺のアパートの相場調べたんだ~」
・・・え?
「15分歩いて風呂なしトイレ共同で〇万とかあったw」
「風呂なしトイレなし~!?w」ってとこにつっこんでおいたけど、本当はそれどころじゃなかった。
・・・なんかすごいこと言ってるよこの人。
「〇〇駅までいくとだいぶ安くなるんだけどね~」
正直この辺から自分が何て話してたか覚えてない。
冗談だと思ったから必死で冗談で返した。
でも冗談でも、嬉しかった。
そんなことされたら離れられなくなっちゃうよ。
そんなことになったら責任とってくれるのかな。
淡い淡い冗談としてしか成立しない夢だけど。
束の間、幸せだった。