海はひろいな『第二章』

婚外恋愛ブログです。好きだから好きなのに。

許されないことなのは重々承知です。
不愉快だと思う方はどうぞスルーでお願いします。

魔法使いの恋人

久しぶりに何度も何度も、いつまでも未読のままのメッセージをこの眼と心に焼き付けた。
結局空白には、幾らでも想像の余地が広がってしまうの。


わかってる、と思っても。
じわじわ広がる嫌な不安。


彼からやっとLINEが来るまで、ほんと苦しかった。




話は変わりますが、何馬鹿なことをと思われるかもですが、
ここ最近で私たち、魔法を習得しました。
幾つかの条件が一致する下でしか発動できないのですけど。
上手く唱えられたとして、せいぜい効き目が5分程度の、
逢いたくて逢えるだけの、魔法。
恋人の魔法。



先日の苦しい未読に、不安になった私に、彼が提案した。
魔法の詠唱。
逢おうって。


いつかこの魔法が使えるときがくるってわかっていたけど。
いざ使うとなると、ドキドキする。


逢えるかな。


初めての魔法、上手に出来ない。
なかなか上手く巡り合えない。


手がかじかむ。
氷のような空気。
指先がきーんってなって。


そして、やっと逢えた・・・


嬉しい。
逢えるの嬉しい。
でも、
こんな日常にこんな魔法なんか使ってマズくないの?
って聞いたら、
「だって寂しそうだったからさ」って言って、
逢いに来てくれた。


この魔法は秘密の魔法。
周りに知られたら大変。
本当はこんな一般人の前じゃ使っちゃいけないかも知れない。
見られたら大変。
少し離れて歩く、2人の距離が妙にリアル。


なのに、彼にまとわりつきたくて、ぎゅーってしたくて、私は気持ちを抑えるのが大変だった。
冷えた指先だけでもぴとってくっつけたかった。


やっぱり “本物” が目の前にいると、違う。
ゆらゆら揺れるベクトルが、一斉に折り目をただすような。


好きって。
ありがとうありがとうありがとう。
嬉しい。


たぶんほんと5分くらいだけど、一緒にいられた。
嬉しかった。


魔法が消えるときに、頭ぽんぽんして、またね、って消えて行った。
魔法使いの恋人。


逢いに来てくれてありがとう。