昔々、流石に今より。
若かったし、だからもっとずっと、
私にも少しは、無邪気だったり天真爛漫な、部分があった。
死んでくみたいに失くした部分。
年齢を重ねたせいではなく。
そんな夫婦だった。
少しだけ年齢差がある。
私の方が年下で。
夫はいつしかそれを盾に横柄になっていった。
話を聞いてくれない。
聞いてくれたとしても生返事。
それか、全否定。
反論しようものなら、激怒の始末。
“年下のくせに生意気” な女だったんだろう。
けして簡単に語れるわけではないけど、
私は、
小さな結論を出した。
子供を育てられればいい、
それだけでいい。
それ以外を望まず、生きて行こうと思った。
少しだけ、
もう私は誰かに甘えたり出来ないんだなあって、
思ったときにものすごく絶望したけど。
とはいえ、それでいいって決めたのは自分だったし、
だからそれで良かった。
だから。
『海』に出逢えて、嬉しかった。
そんな風に始まって。
だからって、罪悪感が全くなかった訳じゃない。
そして。
この年。
夫に変化が訪れる。
私が離婚を告げたからか、
夫が父を亡くしたせいか、
推測でしかないけど。
私への接し方が反転した。
戸惑う。
・・・ていうかシたいだけなんじゃない?とも思う。
夫の性質は、流石によく知ってるし。
一時的なものの可能性も大いにありえるし。
それでも、私に向けられる気持ちは目を背けても伝わってくる。
愛されている、らしい、私。
今更、どうしていいかわからなかった。
私の気持ちを多く殺してきたくせに。
でも、夫婦のカタチを維持するしかない。
不本意でも。
私に歩み寄っているけど。
私は本心も本音も殺してる。
何を言えば揉めるか、わかっているから、
めんどくさいから、言わない。
だから、『従順』に映っているだろうと思う。
そういうのが好きなのも知ってる。
ほんと、困った。
無関心なままで良かったのに。
だからここで、
また改めて、
罪悪感に向き合うハメになってしまった。
私に冷たい無関心でいたから、
という大義名分が奪われて。
自分がしていること、
これが明るみになったらどういうことになるか・・・
改めて見詰めなおすことになった。
大義名分があったから、
だからこそ私、考え方が甘かったんじゃないかって。
どこか流れに甘える部分、あったと思う。
わざと過去の辛い記憶、呼び起こしたりして、
痛みで痛みを紛らわせたりなんて、不毛なこともした。
このとき、まだ真夏。
苦しさから逃れるために、何かを手放すのではなく。
全て手に入れるために、どうするか。
『海』と別れない。夫とも別れない。
選んだ。
「浮気は男の甲斐性」という言葉があるけど。
女が言うとなんか狡さが際立つけど。
狡くてもいい。
上手に立ち回る、絶対に絶対に。
そう思ったのでした。
そう決意して。
ココロが弱って、不安になると、
認めたくないけど、負けそうになる。
『罪悪感』
『海』と逢えないと、寂しい反面、
ココロの影で、ひっそり湧き上がる安堵。
どうしても、つきまとう。
それは、当然。
怖くて、当然。
当然、当然。
怖い。
当然。
必要なアナライズ。