海はひろいな『第二章』

婚外恋愛ブログです。好きだから好きなのに。

許されないことなのは重々承知です。
不愉快だと思う方はどうぞスルーでお願いします。

お別れの地図

 ~これはあときの空白を記録した3分の1のつ目の話




あまりにさらりと家族の話題。


正直前回の傷も癒えたとは言えない。
なのにまた。


何度も何度も、遠慮のない。
揺るぎようがない絶対的な事実。


抗ってきたけど、
今度こそはとうとう無理かも、
って
ぼんやり思った。



まだ春の気配も頼りないこの季節に、
やがて来るまだ来ない遠い夏の季節の翳が見えた。
まだ遠くはっきり見えないはずの翳が。
確実に来る夏の。


不安に圧し潰されそう。
このままじゃ、もう。



「その話を言わないで」とは言ったことはなかった。
けして多くのことを何でも話せる自分ではないことは知っている。
それを差し引いても。
言わなかった理由が、ある。


まずひとつ。
なけなしのプライド。
一丁前に悔しいらしい。
そんな話平気。
それっぽっち、だから何?
そんなことで私が傷付くなんて、とんでもない、だなんて。
強がりたかった。


そんなことで
こんなにこんなに傷付いてるなんて、言いたくなかった。



そうしてもうひとつ。


ずっと前。数か月単位で前のこと。
彼と話していたとき。
話しながら、気付いてた、この話の流れは家族の話になるパターンって。
気付いたけど、まあいっかって。
このときは心に余裕が少しはあって。
そのまま泳がせていたら、やっぱり的中。
「うんうん」
頷いて話を聞く。
それはいわゆる、一般的な『夫の愚痴』。
ああでも同じ女性としてそれは妻側にも言い分持たせてあげたいなあと、『一般的な妻』に対して一般的なフォローを入れる。
ふう、結果的に奥さんの肩を持ってる私。
まあ、よくあるよく聞くことだしね~。
でも、何やってるんだろ私・・・と思い始めたところで、『海』も気付いた。
「ごめん。こんな話」
自分で気付けてえらかったけど。


思うのは。


私たちの恋愛のベースにお互いの家族がある。
その上でする恋。


やはり2人きりのときは2人だけの世界がいい。
見なくてもいいものは徹底的に排除して。
閉ざされた世界へ。


でも。


あんなに何度も『家族の話題』に打ちのめされてきたのに、思っていたのは。
一丁前に思っていたのは。


閉ざしたくない。
目にするたびに傷付いてるくせに。


人は誰でも生きてる上でいろいろ迷ったり悩んだりする。
彼も家庭のことで、思うことがあるはず。
誰かに聞いてほしいって思うことがあるかも。
そのときに、私がいたいなって思った。
出来る限り一番の理解者になりたいなって思っていた。


そのために閉ざしてはいけなかったの。


でも。
無理だった、私。


隠し持っていた地図。
行先の読めない地図。
手放したくなかった。
辿り着いてみたかった。
諦めるときがきたんだな。


壁を作らなくっちゃ。
作ってもらわなくっちゃ。
私を護るための壁を。


壁に阻まれてそれでもう地図を辿れなくなっても。


敗けてしまったから。



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